栃木レザーエイジング特集「使ってわかるほんまもんの革」 第1回

クアトロガッツスタッフに聞いてみました 第1回

本物の革とは使うほどに色艶が増してくる革のこと。
植物性のタンニンで鞣されたクアトロガッツがメインで使用している「栃木レザー」はまさにそんな本物の革です。

クアトロガッツに革のことを教えてくれたが大阪天王寺の革屋さんのハシモト会長はこんな風に言われました。

「料理でも素材が良ければ塩だけでもうまいやろ。
革もそれとおんなじで”いい革”を使ってシンプルなもの。それが一番いいんや。」

「ほんまもんの革の世界を歩いて行きなさい。」

日々工房で革と向き合い、革を愛してやまないクアトロガッツのスタッフだから分かる栃木レザーの魅力を聞いてみました。


第1回

栃木レザーの魅力 クアトロガッツスタッフ 矢田

2020.10.13


矢田敦己
クアトロガッツの縫製担当。製靴を学び、皇室御用達の老舗靴メーカーで勤務。独立後に幼稚園の同級生であったクアトロガッツキャプテン中辻と再会。その豊富な経験から製作の要であり自らもミシンを踏む。


愛情に応えてくれる革

日々扱っている栃木レザーのどんなところに魅力を感じますか?

矢田

エイジングの素晴らしさが一番の魅力です。

個人的に好きなのは、クアトロガッツでも小さいふの定番シリーズで扱わせて頂いている光沢のある栃木の革。

元々の発色の良さに加えて、経年変化により更に深みが出てきます。大切に扱っていれば、それに応えてくれるようにツヤと存在感も増してきて、手に取ること自体が嬉しくなってきます。

多少のキズであれば、エイジングするにつれて気にならなくなりますし、子供の成長を見守るように【革】を育てていると言った感覚ですね。

持っている服装が青(ネイビー)が多いので、キャメルは色の相性が良いので気に入ってます。ころんとした雰囲気に、控えめなステッチの表情とガッツ(考える牛)の刻印が映えます。

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コイン/カード/名刺/お札の収納スペースの広い大容量の小さいふ。

の声を聞く

革の一番の魅力はどういったところでしょうか?

矢田

やはり一枚一枚違った表情を持っているというところです。

私が最初に革に興味を持ったのは「靴」でした。およそ15年間、靴業界で学校やメーカー、工房を渡り歩いてきました。

靴の製作過程で木型に革(アッパー)を被せたのちに、革を引っ張りつつ釘を打ち込みながら固定する「釣り込み」という作業があるのですが、ある職人の先輩から『引っ張る方向は革に聞きなさい』と教わりました。

革は動物の皮。その皮には、それぞれ生前に生きていた証があります。肌の傷や血管の跡、首元のシワやお腹のたるみ、お尻の張り具合、年齢による肌のキメ細かさや繊維の緻密さ、伸び方向…一枚一枚違った表情があり、全く同じというものはありませ

「釣り込み」においては、革を引っ張る方向はその部位によって異なるため、革と対話するように作業していきなさいということでした。
財布も組み上げられて形になっていく中で、折り曲げる部分やミシンの糸調子の合いやすさなど、使う革の部位によって変わってきます。機能面にも影響があるところなので非常に難しい部分でもありますし、同時に製作する度に違った発見があるという面白さもあります。

おすすめの小さいふ

おすすめの栃木レザーの小さいふ。はありますか?

矢田

自身でオーダーで製作したオールカーキのモデルです。
使い込んでいくうちに小銭入れのラインの跡が、いい感じに表面に浮き上がってきました。光沢が出てくると、刻印が浮き出てくるように見えるので見た目の奥行きも出てきますね。

小さいふ。 ペケーニョ【カラーオーダー】
手のひらサイズでコイン/カード/お札の入る小さいふシリーズの一番人気。

革は恋人

革の育て方のコツなどはありますか?

矢田

エイジングと言っても、扱い方によってその変化は違ってきます。例えば、ずっとお尻のポケットに入れた状態で過ごしていれば、体重によって形崩れしてしまいますし、長期間(保湿クリーム等で)お手入れしなければ、表面が乾燥でひび割れてくることもあります。

荒くて粗末な扱いだと、それに見合った変化をします。逆に、大事に扱いながら丁寧にお手入れしてあげれば、革もそれに応えてくれるように落ち着いた光沢と深みのある味わいに変化してくれるのです。

当然、長い間使い続けられることにもつながります。革は、家族や恋人、友人と同じように思いやりを持って向き合い、接してあげるときっと良い関係が生まれてくると思います。
栃木レザー社へ工場見学に伺わせて頂いた際、日々革に携わっている職人の方々にはそんな印象を受けましたし、じっくりと時間をかけて鞣された革には、真摯で誠実な想いが込められていると実感しています。

革のメガネケース 定番カラー 素上げヌメ革


革と日々対話しながら革小物を製作している矢田さん。
「革は、家族や恋人、友人と同じように思いやりを持って向き合い、接してあげるときっと良い関係が生まれてくると思います。」という言葉が印象的でした。

栃木レザーの見学にいった際にも、革を鞣す職人さんの姿にも革への真摯で誠実な想いが込められていると実感されたエピソードもありました。
そんな職人のこだわりの革。是非手に取ってみてください。


第1回

栃木レザーの魅力 クアトロガッツスタッフ 矢田

2020.10.13


第2回

栃木レザーの魅力 クアトロガッツスタッフ かめい

2020.11.11


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栃木レザー