クアトロガッツスタッフに聞いてみました 第2回
クアトロガッツに革のことを教えてくれたが大阪天王寺の革屋さんのハシモト会長はこんな風に言われました。
「料理でも素材が良ければ塩だけでもうまいやろ。それとおんなじで革の良さというものを味わうにはシンプルなのが一番いいんや。」
「ほんまもんの革の世界を歩いて行きなさい。」
会長は素材の革の良さ、良い革とはどういうものかを語ります。
本物の革とは使うほどに色艶が増してくる革のこと。
植物性のタンニンで鞣されたクアトロガッツがメインで使用している「栃木レザー」はまさにそんな本物の革です。
日々工房で革と向き合い、革を愛してやまないクアトロガッツのスタッフだから分かる栃木レザーの魅力を聞いてみました。
第2回
栃木レザーの魅力 クアトロガッツスタッフ かめい
2020.10.23
かめい
クアトロガッツの縫製担当。専門学校でアクセサリー彫金を学び、アクセサリーの製作を経て、学校の友人の勤めていたクアトロガッツに入る。縫製もさることながらたくさんのスタッフのサポートなど工房の中心として活躍中。
趣味は山登りと最近始めたカメラ。
職人の誇りを感じる革
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日々扱っている栃木レザーのどんなところに魅力を感じますか?
かめい
使えば使うほど色が濃くなり艶が出てくる革のよさはもちろんなのですが、栃木レザーに携わる方々がとても魅力的に感じます。
社員旅行で栃木レザー社へ工場見学に行かせていただいた時に、たくさんある工程を一つずつ説明しながら見せていただきました。
その中で栃木レザー社が行っているフルベジタブルタンニン鞣しという製法を説明してくださった時に「世の中にはクロム鞣しの革もたくさん流通していますが、どちらがいい悪いではなく、うちはこのやり方をとっている。」という栃木レザー社の方の言葉がとても印象的でした。
クロム鞣しにもベジタブルタンニン鞣しにもいいところがあり、逆に欠点もあると思いますが、その両方を知った上で栃木レザーに誇りを持っていることを感じました。この経験でより一層魅力を感じるようになりました。
傷も思い出に変わる
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革の一番の魅力はどういったところでしょうか?
かめい
どんどん表情が変わっていくところです。
使い始める時は「汚したくないなあ」とか「傷付けたくないなあ」と思いながら扱うですが、そのうち傷が入ることもあります。薄い傷であれば揉むと馴染んで消えてくれますが、深い傷が入りショックを受けたこともあります。
しかし使っている間にどんどん経年変化していって傷の事なんか全然気にならなくなりました。むしろその傷さえも、あの時の傷だ!と思い出として残っていてくれます。
こんな風に革が自分の使い方に合わせて表情を変えていくところが一番の魅力です。小さいふコンチャのキャメルはオーダーでロゴを変えて作りました。深い艶がでてきました。
小さいふ コンチャ 栃木レザーキャメル
コイン/カード/名刺/お札の収納スペースの広い大容量の小さいふ。
山登りに愛用
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おすすめの栃木レザーの小さいふ。はありますか?
かめい
私は普段用と使い分けてポキートを使っています。ポキートの良さはやはりコンパクトさです。趣味で山登りに行く時には、必要なカード、必要な分だけのお金を入れてます。
オレンジ色の小さいふを何年も使っている先輩がいて、それが飴色のようにとても綺麗に経年変化していたので「私もあんな色に育てたい!」と思いオレンジ色を使っています。
小さいふ。ポキート 栃木レザー オレンジ
シリーズで最も小型の小さいふ。コイン/カード/お札を賢く収納
たくさん触って欲しい革
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革の育て方のコツなどはありますか?
かめい
たくさん触っていただくことが一番おすすめです!
レザートリートメントのラナパーを使いお手入れすることもありますが、あまりマメではない私がお伝えできることがあるとすれば「よく触り」「よく使っていただく」ことです。
使い始めはハリのある革が、使えば使うほど自分の手の形に合うように馴染んできます。小さいふの場合、使い始めは小銭の出し入れがぎこちないと思いますが、そのうち自分の思うようにスムーズに出し入れができるようになってきます。
小さいふ。ペケーニョ
手のひらサイズでコイン/カード/お札の入る小さいふシリーズの一番人気。
工房のスタッフと連れ添って山登りにはまっているかめいさん。
「栃木レザーに携わる方々がとても魅力的に感じます」という言葉が印象的でした。
良いところも欠点もありながら誇りを持ってこの革を作っていると胸を張る栃木レザー社の方々が作る職人気質溢れる革。是非一度触ってみてください。